2016.02.13 Saturday 17:35

つくるというまじない

「つくるというまじない」水谷智美×山口愛
 2/12~2/27

展覧会によせて 山口愛

器のはじまりは、手のひらか、大きく開けた口だったと思います。
川の水をすくうために手のひらでつくったくぼみ。
雨水を飲もうと空に向かってぱくっと開いた穴。

絵のはじまりは、誰かが地面に引いた線だったと思います。
印のような、境界線のような線です。
絵という認識のない、意志を持って引かれた線。
踏まれたり、風で消えてしまった歴史に残っていない線たち。

器も絵も、はじまりはすぐに形の消えてしまうものであって、
そういう形のない最初の器、最初の絵が、たくさんの人によって、
つくられては消え、つくられては消え、繰り返されてきたのです。
その繰り返しが、私たちの深いところに根をはり、地下の水脈のように流れているのです。

今、私たちが器をつくることに喜びを感じ、
ただ線を引くだけ、点を打つだけで、心が解き放たれていくのは、
そうして生き延びてきた古代の人々からの「つくるというまじない」そのものだと、強く思います。

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水谷さんの島根松江の工房。





水谷智美の作品。
彩Т錣箸いΑ釉薬を使わずに焼きしめた、独特の質感です。
出土したもののようであり、鉄のようでもあります。

以下は、水谷智美と山口愛の共同制作のものです。
ドローイングを得意とする山口の線は、すべて一発描きです。
薪窯で焼かれ、変化しながら線が器に定着しています。
アフリカ、韓国、イタリア、ギリシャ、日本などの遺跡や壁画、文様に影響されながら
独自の線をひいています。「絵」という認識の無い、意志を持った線は、即ち「解き放たれた線」です。
素材がなんであれ、山口はそういう線をめざしています。

展覧会では、陶のみならず、キャンバスや板に描いたものや、ことばの無い映像のような漫画を手製本したものなど、も展示しています。





角付き壺


蝶の模様の碗


壁掛け土器「豚」

長板皿 

陶板「泳ぐ人」ギリシャのフレスコ画から影響を受けた絵


「美しい日々」 和綴じ製本 114ページ ¥5,250

小さな生死を繰り返すように、いつの瞬間も新しい景色と私がいます。
共に過ごしたそういう景色達を1ページずつの漫画にしました。
和綴じ製本によって、柔らかくページを繰ることができ、パラパラと走馬灯のようにご覧頂けるのではないかと思っています。

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展覧会は2/27まで。ぜひ、お出かけ下さいませ。
オンラインショップでも水谷と山口の作品を掲載する予定です。
https://www.art-eat.com/event/majinai/


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